必要性が高まる処分のプロの存在
個人情報やシステムドキュメントなど、社外に絶対漏えいさせてはいけない情報を取り扱う企業にとって、機密文書の処理は重要な課題。
しかし、現状としては、社内に処分専用の部署がある企業は限られており、多くの場合は社員自らによる処分(シュレッダー等)を行っています。
効率が悪く、負担も大きいですが、最も懸念すべきは「情報漏えいのリスク」。
2009年7月のアリコカード情報流出事件では、10万件を超えるデータが流出し、クレジットカードの不正利用が4,000件以上も発生。損失額は70億円を超え、多大なダメージを受け、社会的信用も失いました。
2014年7月に発覚したベネッセ個人情報流出事件では、最大3,500万件以上の利用者情報が流出。流出規模の大きさもさることながら、子どもの年齢や続柄・出産予定日など、複数にわたる情報項目が流出したこともあり、社会的な注目を浴びることになりました。
情報漏洩事件に学ぶ2つの共通点
この2つの事件には共通点があります。
それは、「内部社員のセキュリティに対する意識の低さ」が引き金となって起こったことです。
このようなことが原因で起こる漏えい事件は多く、事実、情報漏えい事件は毎年1,000件以上起きているとされており、「内部社員の故意または過失によるもの」での漏洩も多いのが現状です。
さらに、東京商工リサーチが行った「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2020年)によると、2020年で発生した情報漏えい・紛失事故103件のうち、理由として最も多かったのが「ウイルス感染・不正アクセス」の51件(構成比49.5%)、紙媒体が中心の「紛失・誤廃棄」が14件(同13.5%)と3番目に多い割合となった。デジタル化が進み、漏洩の原因割合も2012年から様変わりしているが、いまだに紙媒体が中心の原因「紛失・誤廃棄」は健在であるということが分かります。
参考:東京商工リサーチ『「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2020年)』(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210115_01.html)
特に機密文書においては、セキュリティ対策として電子化が求められる一方で、まだまだ紙媒体による管理を行わざるを得ない企業が多いのも現状です。
機密文書処理はプロに委託してリスク対策を
近年、企業側では内部統制により、社員の情報漏えいに対するリスク教育などが徹底されてきましたが、一つの限界が見えてきていると思われます。
やはり、リスクマネジメントなどの内部統制を実施する企業側の教育レベルや社員のリスクに関する意識レベルに差があるからではないでしょうか?
その現実を打開すべく、2005年以降、大企業などでは、「アウトソーシング会社」を採用しつつあります。
社内教育の限界を見越して、機密文書処理のプロであるアウトソーシング会社へ委託するという流れは当然と言えば当然かもしれません。
そもそも機密文書とは?
機密文書に明確な定義はありませんが、外部に漏えいすることで企業にダメージを与える可能性を持つ文書は、すべて該当すると言っても過言ではありません。新製品の企画が記されている文書は「極秘」扱いとなるでしょうし、顧客の情報が記載されている文書は「社外秘」となるでしょう。また社内の他部署に知らせるべきではない情報が記された「部外秘」などもあります。さらに、社外から受け取った文書も、機密として処理しなければならない場合があります。
機密文書のライフサイクル
機密文書を作成する際は、表紙となるページに「秘」や「厳秘」、英語なら「Confidential」と表記し、閲覧する人と意識を共有する必要があります。専用のスタンプを用意している、という企業も多いでしょう。その管理運用は事前のオリエンテーションに始まり、共有範囲の指定、専用の置き場所の設置や施錠など、多岐に渡ります。文書の保存期間が過ぎた場合は、共有範囲外の人間の目に触れぬよう、内容の判読が不可能なレベルまで、廃棄しなくてはなりません。
廃棄のリスクとポイント
「機密文書は一定期間後に廃棄すること」。そう周知させても、業務内容により多くの文書を扱う人は、感覚が麻痺しがち。保存場所に文書が溜まっていたり、処理を部下任せにしていると、情報漏えいの危険は高まります。こうしたミスから会社が窮地に陥ってしまうようでは、一大事。近年は機密文書処理専門のサービスも多数登場し、都度から定期回収まで、バリエーションは豊富です。リスク管理の投資と考えれば、出費も妥当では?ぜひ利用を検討してみましょう。
機密文書の処理を行ってくれる企業まとめ
機密文書の処理を行ってくれる企業は、各地にたくさんあります。企業によってもセキュリティサービスや料金などが異なり、特徴も様々です。そのため、機密文書の処理を依頼する際は、会社ごとの特徴をきちんと調べておくことが大切です。ここでは、機密文書処理に対応している企業を一部ご紹介します。
日本シュレッダーサービス
基本情報
会社名 |
株式会社日本シュレッダーサービス |
所在地 |
〒123-0853 東京都足立区本木1-1-18 |
電話番号 |
03-3886-1725 |
認証取得 |
ISO/IEC27001認証 |
特徴
1.すべて自社内で作業を行ってくれるから安心
日本シュレッダーサービスには、4台の大型シュレッダーが完備されています。依頼された作業はすべてこのシュレッダーを使って自社内で行われており、外部の企業には一切委託していません。顔の見えるスタッフが書類の回収から処理まで一貫して行っているため、安心してお任せすることができます。
2.電話1本でスピーディーに対応
利用の際は、電話1本で簡単に依頼することができます。また、通常は連絡した日の翌日以降に対応する流れとなりますが、急ぎの場合は当日に対応してもらうことも可能です。スピーディーな対応・処理が評判となっており、目の前の書類をあっという間に片付けてくれます。
3.無料で段ボールを提供してくれる
書類整理をするとき、必ず必要になるのが段ボール箱。書類の量によっては大量に用意しなければならないため、数が足りなくなってしまうこともあるでしょう。そのような場合に備えて、日本シュレッダーサービスでは段ボールの無料提供を行っています。電話やメールで必要枚数を連絡すれば、その分の段ボールを用意してもらうことができるのでわざわざ購入する手間もありません。また、無駄な出費がなくなるため、コストを削減することもできます。
利用料金
【スポット回収・定例回収】
- 定例回収(おまかせコース) 毎月の基本料金13,200円(税込)で無料段ボールの10箱分が利用可能
- 定例回収(おまかせハーフコース)毎月の基本料金6,600円(税込)で無料段ボール5箱分まで利用可能
- スポット回収 1箱1,980円(税込)
※そのほか、郵送回収も受け付けています。郵送回収を利用する場合、地域や箱のサイズによって料金が変わりますので、企業の方に問い合わせてみてください。
セキュリティ
日本シュレッダーサービスは、過去30年間一度も情報漏洩の事故を起こしたことがない信頼できる企業です。しかしながら、万が一に備えて賠償責任金額の上限を2億円に設定した情報漏洩保険に加入しています。また、搬送用のトラックに位置情報提供サービスの「ココセコム」が導入されているため、搬送中のトラブル防止や被害拡大を防ぐことができます。
口コミ
- 会社の移転で書類の処分が間に合わずに困っていたとき、こちらの会社を利用させて頂きました。移転前日に電話したのですが、連絡してから3時間後にすぐ取りに来てくれたので本当に助かりました。
- 一度に大量の書類を処分してくれて、とても助かりました。保管場所が分散している上に、大量の書類を処分しなければならなかったので、うちの社員だけでは到底無理でした。また、対応も終始丁寧で良かったので、今後もぜひお願いしたいと思います。
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日本パープル
基本情報
会社名 |
株式会社日本パープル |
所在地 |
〒107-0052 東京都港区赤坂8-5-6 翻訳会館3F |
電話番号 |
03-3479-1201 |
認証取得 |
産業廃棄物収集運搬業、プライバシーマーク取得、ISO/IEC27001認証 |
特徴
1.「保護くん」を利用した機密処理
日本パープルでは、機密回収ボックス「保護(まもる)くん」を使って書類の処分を行っています。投入した書類が取り出されるのを防ぐために、鍵が付いていたり、投入口に取り出し防止弁が付いていたりと安全対策を徹底しています。シュレッダーや段ボール要らずなので、手間なく機密処理を行うことができます。
2.パソコンやCD・DVDなども処理してくれる
日本パープルは、書類のほかにもパソコンやHDD、スマートフォン、CD、DVDなどの処理も行ってくれます。また、ユニフォームや印鑑、鍵、社員証なども処理することができ、対応可能な品が幅広いのが特徴です。
3.環境にやさしいリサイクルシステムを採用
シュレッダーにかけられた紙は繊維が裁断されてしまうため、リサイクルせずにそのまま焼却されるのが一般的です。しかし、日本パープルは特殊な工程で機密処理が行われているので、コピー用紙などの上質な紙にリサイクルすることができます。
利用料金
セキュリティ
日本パープルは、「保護くん」のサービスが始まった昭和47年から、一度も情報漏洩事故を起こしたことがありません。投入された書類は処分する瞬間まで誰の手にも触れないように徹底管理されており、セキュリティ対策に力を入れています。
また、書類を運ぶ輸送車には、現金輸送車と同等のセキュリティ設備を搭載した完全密封車を使用しています。さらに、後部扉には特殊警報機が装備されているので、扉を開けっぱなしにしたままスタッフが車を離れることもありません。輸送車にはGPS機能も搭載されているので、どこにいるのかすぐわかるようになっています。
口コミ
- これまで大量の書類を社内にあるシュレッダーで処理していましたが、ホッチキスの針を外したり、屑でいっぱいになった袋を取り替えたりと大変でした。それで片付けがいつも後回しになりがちでしたが、処理を依頼するようになってから手間なく片付けられているので助かっています。
- 機密文書の処理がスムーズにできるようになったおかげで、社員全員の袖机が一つ減りました。袖机が一つ減った分、オフィスのスペースを有効活用することができ、快適な職場環境になりました。
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奥富興産
基本情報
会社名 |
奥富興産株式会社 |
所在地 |
(本社)埼玉県狭山市大字下広瀬782-2 |
電話番号 |
04-2952-3332 |
認証取得 |
産業廃棄物処分業許可、産業廃棄物収集運搬業許可、一般廃棄物収集運搬業許可、廃棄物再生事業者、計量証明事業登録、ISO 14001 認証、プライバシーマーク |
特徴
1.長年の実績と信頼
奥富興産が創業したのは大正13年のこと。それ以来、地域の環境活動を支えてきた歴史ある企業です。その歴史の中で同社は地道に資源リサイクル事業に専念してきたこともあり、地域からの信頼も厚いといえるでしょう。このことから、長期間にわたり安心して取引が可能です。
また、長年の歴史の中で培ってきた廃棄物管理に関するノウハウに加えて、協力会社との連携を行っている点も同社の強み。安全性や付加価値の高さが魅力のサービスを提供している点もポイントです。
2.アクセスの良さと充実した設備
同社は非常にアクセスが良い点も大きな特徴です。所在地は圏央道狭山日高IC、国道16号・407号から近くとなっています。また、充実した設備を整えており、埼玉県内で大規模の営業面積を有している点も大きな特徴といえるでしょう。40t、60tの大型スケールを完備していることから、作業時にもスムーズに搬入したり、搬出したりすることもできます。
3.厳しい管理体制による安心感
同社では、ISO14001とプライバシーマークを取得している企業です。さらに、業務の品質の維持や向上について積極的な取り組みを行っていることが特徴となっています。加えて、作業を行っている工場はクリーンな環境を実現。安全面でも配慮されています。
利用料金
持ち込みの場合:10kg未満 2,000円
同社が回収する場合:10kg未満 2,500円
セキュリティ
同社の機密文書処理で使用するのは、ドイツ製の大型システムシュレッダー。1時間あたり約1トンの処理が可能、と非常にスピーディーです。さらに専用ルームや防犯カメラ、監視ルームの整備や専門スタッフが在籍していることにより、徹底したセキュリティを備えた上で文書処理を行っています。
口コミ
- 急な依頼についても迅速に対応してくれました。処理証明書も発行してくれたので、安心できました。
引用元:奥富興産公式HP(https://www.okutomi.co.jp/feature/)
- 機密文書の保管場所が狭かったため、搬出経路や回収方法について何度もご提案頂きました。
引用元:奥富興産公式HP(https://www.okutomi.co.jp/feature/)
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竹下産業
基本情報
会社名 |
竹下産業株式会社 |
所在地 |
(本社)東京都足立区関原1-14-2 |
電話番号 |
03-3887-1761 |
認証取得 |
一般廃棄物収集運搬業、産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業、古物商 |
特徴
1.インターネットで申し込みが完了
竹下産業が運営している機密文書処理サービス「T-CUBE」は、インターネットから処理の申し込みが行えます。そのため、パソコンやスマートフォンのみで申し込みが完結し、電話や書面でのやり取りは必要ないため非常に手軽に利用できます(FAXでの申し込みも可能)。
2.未分別でも問題なし
処分対象文書の輸送は、施錠できるGPS付き自社車両で実施されますので、担当社員により目を離さずに管理することが可能。同社の社員は、ひとりひとりが機密文書の取り扱いに関する専門教育を受けているため、輸送も安心してお任せできます。
また、段ボールの中の文書は未分別でも問題なし(メディア類(CD/USBメモリー/HDD/SSD/メモリーカード/テープ類/その他)は除く)。ファイルやバインダー、クリップなど分別せずに処理対象のダンボールに入れることができます。
3.自社の情報抹消センターを保有
竹下産業では、自社の情報抹消センターを保有しています。このセンターの場所は非公開となっており、さらに関係者以外は立ち入り禁止。社員の出入りはもちろんですが、その際には手荷物まで厳しく監視します。
この場所で同社の社員が機密文書を速やかに処理しており、処理スケジュールは自社で管理。処理すべき文書をためっぱなし、放置しっぱなしという状況にはなりません。
利用料金
T-CUBE Basic(関東限定) 1箱あたり1,800円
セキュリティ
機密文書を輸送する際には施錠可能なGPS付き車両を利用。機密文書輸送中の立ち寄りや他のドライバーへの引き継ぎ、行き先が異なる荷物との混載などは一切行いません。また、自社の処理センターを設けることでよりセキュリティを高めています。処理センターの場所は非公開、限られた関係者のみが立ち入りできる施設となっています。
口コミ
- たまりにたまった書類の処分の必要に迫られ、インターネットで業者さんを探し、 竹下産業様に決めさせていただきました。 理由は4つ。 ・HPが見やすかった ・ISO27001を取得されている ・料金がお手ごろ ・破砕証明書を発行していただける HPから問合せをさせていただき、そのリターンが驚くほど迅速で丁寧だったため、ますます好印象。お支払い方法もこちらのわがままを聞いていただき、当日もとてもスムーズに作業終了 いうことなし!の竹下産業様のお仕事ぶりでした。どうもありがとうございました。
引用元:T-CUBE公式HP(https://www.r-station.co.jp/t-cube/review/)
- 旧機密ボックス(袋交換方式)から移行しました。輸送時のリスク低減を優先するため、多少負担は増えましたが満足しています。証明書もメール配信となり、紙での保管が不要になったのも良いと思います
引用元:T-CUBE公式HP(https://www.r-station.co.jp/t-cube/review/)
>>竹下産業の詳細はこちら
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美濃紙業
基本情報
会社名 |
美濃紙業株式会社 |
所在地 |
(本社)東京都足立区千住東2-23-3 |
電話番号 |
0120-548-302 |
認証取得 |
一般廃棄物収集運搬業、産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業、古物商産業廃棄物収集運搬業許可、廃棄物再生事業者登録証明書、東京都産業廃棄物中間処分業など
|
特徴
1.2種類のサービスを用意
同社では、機密文書処理サービスとして「引取り細断サービス」と「直接溶解サービス」の2種類を用意しています。
引取り細断サービスでは、自社処理工場へ引取りまたは持ち込みされた書類を大型破砕機で細断し、リサイクルするものです。細断されたあとの古紙はトイレットペーパーなどに再生されることになります。書類を回収する際には、GPSが搭載された専用車を使用。さらに破砕作業も24時間監視・防犯システムを備えた中で行われます。また、要望により作業の立会いや作業後の証明書発行、作業状況を記録媒体に録画するといったことにも対応します。
また直接溶解サービスは、回収したダンボールを開封せずに溶解し、リサイクルを行うもの。こちらも溶解処理の状況を記録媒体に録画することができます。
2.低価格を実現
同社では一貫完全処理システムを構築することにより、優れたコストパフォーマンスを実現。利用する側としても嬉しいポイントであるといえるでしょう。また、処理が完了した後には処理証明書の発行にも対応しています。
3.リサイクルで地球に優しく
100%リサイクルを前提とした文書処理サービスを提供していますので、焼却処理を行うよりもコストの削減が可能に。さらに、リサイクルを行っているということから、企業のイメージアップも可能です。また、リサイクルによりオリジナルの再生品を作り、お客様に還元することもできます。
利用料金
セキュリティ
機密文書を輸送する際には、同社のGPS搭載の専用車両を使用していますので、安全・迅速な引取りが可能。さらに、文書の処理はモニターによって24時間監視された体制のもとで行われます。また、入退室管理も厳格に行われているため安心。お客様の要望によっては、作業の立ち会いなどにも対応しています。
口コミ